失敗しない!気になる火災保険の選び方

【1】保険の対象を決める
火災保険に加入する際に、まず「保険の対象」を決めなくてはなりません。
「保険の対象」とは、その名の通り保険を付ける対象のこと。火災保険では主に「建物」と「家財」が「保険の対象」となり、保険の対象とすることで損害を補償することができます。
建物の補償だけでは家財の損害は補償されませんし、逆に家財の補償だけでは建物は補償されません。建物と家財のどちらも保険の対象にするには、それぞれに保険金額を定めて契約する必要があります。
また、保険の対象は持ち家と賃貸物件とで設定の方法が異なります。持ち家の場合、建物と家財のどちらも保険の対象となりますが、賃貸物件の場合は建物の保険は基本的に大家さんが契約しているため、入居者は家財のみの契約が一般的です。
【2】建築構造を確認する
火災保険は、補償内容が同じ場合でも建物が燃えにくいか燃えやすいかの耐火基準によって、保険料が異なります。一般的に、建物は「M構造(マンション構造)」「T構造(耐火構造)」「H構造(非耐火構造)」の3つの構造に分けられます。
- M構造
共同住宅且つ柱がコンクリート造・コンクリートブロック造・レンガ造・石造のいずれかの建物 - T構造
一戸建て且つ柱がコンクリート造・コンクリートブロック造・レンガ造・石造・鉄骨造のいずれかの建物、または、耐火建築物・耐火構造建築物・準耐火建築物・特定避難時間倒壊等防止建築、または省令準耐火建物 - H構造
一戸建て且つT構造の条件以外の建物
耐火性は、「M構造」>「T構造」>「H構造」の順に「M構造」が一番強く、火災リスクが最も低い構造です。火災保険は、火災リスクが低いほど保険料も安くなるので、「M構造」が一番安く、「H構造」が一番高くなります。このように、建築構造の違いで保険料が異なるため、まずはお住いの物件がどのような構造なのかを確認しましょう。
【3】補償範囲を決める
次に、補償範囲について考えましょう。火災保険では、落雷や爆発等を含む火災による損害だけでなく、台風等による風災リスクや大雨による水災リスク、さらに日常トラブルにおける盗難や水漏れ、破損による損害への補償も可能です。
- 1. 火災リスク ・・・ 火災、落雷、破裂・爆発による損害
- 2. 風災リスク ・・・ 風災、雹災、雪災による損害
- 3. 水災リスク ・・・ 浸水等の水災による損害
- 4. 盗難・水濡れ等リスク ・・・ 盗難、水濡れ、外部からの物体の衝突、労働争議等に伴う破壊行為等による損賠
- 5. 破損等リスク ・・・ 偶然な破損事故等による損害
ただ、補償内容を充実させるほど、火災保険料は高くなってしまいます。そのため、ご自身にあった補償内容を理解し、適切な補償を選ぶことが大切です。
例えば、マンションの2階以上に住んでおり、近隣に川辺などなく浸水による水災リスクが著しく低い場合は、「水災補償」が必要ない可能性が高いといえます。このように、住まいの環境に合わせ必要のない補償を外すことにより、保険料を節約することができます。
【4】建物の保険金額を決める
ここでは、建物が損壊した場合に支払われる保険金額をどのように設定すればよいかをご説明します。
保険金額を決めるときには、まず建物の価値について考える必要があります。建物の価値を評価する基準には、「新価(再調達価額)」と「時価」の2つがあります。火災保険の加入時には、どちらの評価基準で建物を補償するかを選びます。選んだほうの評価基準によって保険金額が算定されるためです。
まず「新価(再調達価額)」とは、損害を被った建物や家財と同等のものを新たに建築または購入するのに必要な金額のことです。もし現在お住いの建物や家財に損害があった場合、「新価(再調達価額)」を選択していれば、新たに同等の物を建築・購入するのに必要とされる保険金額が支払われます。
一方「時価」とは、新価から経年等による消耗分を差し引いた価額のことを言います。評価基準として「時価」を選択した場合、保険料は「新価」を設定した場合よりも下がりますが、建物や家財の現在の価値を基準にして損害額が支払われます。そのため、現在お住いの建物や家財に損害があった場合、修理費などが全額補償されなかったり、以前と同等のものを新しく建てたり購入する費用に保険金が満たないことがあります。
建て替えを必要とするような大規模な損傷を受けた場合などは、自己負担の比率が大きくなる可能性が高いと言えます。そのため、保険金額には「新価(再調達価額)」を設定する方が多いようです。
【5】家財の保険金額を決める
次に、家財の保険金額についてご説明します。火災保険の対象になる家財とは、衣類や食器、電化製品があてはまります。家財の保険金額は、建物の面積や家族構成などを加味して決めることができますが、保険会社では保険金額を800万~1500万の範囲で推奨することが多いです。
もちろん、保険金額を上げれば保険料も上がりますので、今ある家財を新たに買うのにいくら必要なのかを確認し、適切な保険金額を設定することをおすすめします。
【6】保険契約期間を決める
次に、保険契約期間についてご説明します。保険契約期間については1年契約から10年契約までの間で設定することができ、年単位で選ぶことができます。火災保険には長期契約割引があり、契約期間が長いほど保険料の割引率が大きくなります。割引率は保険会社によって異なる場合がありますが、10年契約は1年契約に比べて約18%安く契約することができます。現在住んでいる住宅を手放す予定がある等の特別な理由がなければ、できるだけ長期で契約することをおすすめします。
また、保険料の払い込み方法によっても割引率が変わります。払い込み方法は、基本的に「毎月払う方法」「年に一回まとめて払う方法」「全ての期間分を一括で払う方法」の3つあり、保険料の払い込み回数が少ないほど割引を受けることができます。そのため、「すべての期間分を一括で払う方法」は一番割引率が高くなりますが、一度に払い込む保険料の負担も大きくなるため、お得さも鑑みつつ無理のない支払い方法を選びましょう。
【7】地震保険に加入するか決める
地震保険とは、火災保険では補償できない地震・噴火またはこれらによる津波によって生じた損害(倒壊、火災、理没、流失)を補償する地震災害専用の保険です。補償の対象は建物と家財です。地震保険は単独では契約できず、火災保険とセットで加入することが前提となります。
火災保険同様、地震保険にも割引があり、保険契約年数や適用条件を満たすことによって適応されます。
保険契約期間は、火災保険が最長10年なのに対し、地震保険は1年から最長5年です。契約期間が長いほど保険料の割引率も大きくなります。また、所定の確認資料を提出することにより、免震・耐震性能に応じた「耐震等級割引」「免震建築物割引」「耐震診断割引」「建築年割引」を適用できる場合があります。
割引の種類 | 確認資料 | 割引の説明 |
---|---|---|
建築年割引 |
| 10% |
耐震等級割引 |
| 耐震等級3は50% 耐震等級2は30% 耐震等級1は10% |
免震建築物割引 | 50% | |
耐震診断割引 |
| 10% |
- ※出典元:日本損害保険協会
- ※重複して割引の適用を受けることはできません
地震保険の保険金額は、建物・家財ごとに、火災保険の支払限度額(保険金額)の30%~50%の範囲で決めます。ただし、建物は5000万円、家財は1000万円が限度となります。
近年は地震被害が相次いでおり、地震保険への関心は全国的に高まっています。全国で火災保険契約のうち地震保険を付帯している割合は、2009年度の46.5%から年々増加し、2018年度は65.2%(注1)という推移になっています。火災保険を検討する際は、地震保険への加入も忘れずに検討しましょう。
- ※(注1)出典:損害保険料算出機構「当該年度に契約された火災保険(住宅物件)契約件数のうち、地震保険を付帯している件数の割合」より抜粋
【8】保険を比較する
以上までが火災保険への加入を考える際に検討する基本的な事項です。ここまで検討が済んだら、保険会社から見積もりを取ってみましょう。とはいえ、多くの保険会社が火災保険を取り扱っており、最初から自信をもって一社に絞り込むのは難しいことでもあります。また、保険会社それぞれに見積もりを申し込んで比較するのもかなり労力がかかります。そのような場合は、「保険スクエアbang! 火災保険」のように複数の保険を一気に比較できるサービスを利用するのもよいでしょう。「どうしても必要な補償が決められない」「難しい保険用語を理解するのが大変」という場合は、プロが相談にのってくれるサービスもあります。こういった無料サービスをうまく活用しましょう。
まとめ
住まいや家財を守るために、火災保険は重要な役割を果たす保険です。保険料をいかに抑えるかということも大事ですが、万が一の場合にどのような補償が必要なのか、どのような災害が起こりやすい地域なのか、といったこともしっかり考えて火災保険を選びましょう。
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