火災保険の破損汚損の補償とは?補償対象から必要性まで徹底解説!

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火災保険を契約する際に、破損・汚損の補償を付けるべきか迷っている人も多いでしょう。この補償は、「壁を破損させてしまった」「電化製品を落としてしまった」など、日常生活のさまざまな損害に対応してくれるので、付帯しておくと安心です。

ここでは、破損・汚損の補償とは、どのようなものが該当するのか、また対象外のケースとはどのようなものかを詳しく説明します。付帯を検討する前に、しっかり理解しておきましょう。

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火災保険の破損・汚損の補償とは?

火災保険の破損・汚損の補償とは、建物や家財に対して、偶然かつ突発的に起こった事故により、建物や家財に生じた損失を補償するものです。

例えば、補償が適用されるのは次のようなケースです。

  • 家具を移動させる際に壁にぶつけてしまい、壁を破損してしまった
  • 子供が遊びで投げたボールが窓ガラスにあたり、窓ガラスが破損してしまった
  • 引越しの準備でテレビを誤って落としてしまい、壊れてしまった

このような予期せぬ破損、汚損が生じた場合は、補償の対象内です。ただし経年劣化が原因の破損・汚損や、破損や汚損が生じても機能に問題がない場合、外観の破損・汚損が小さい場合は、補償が適用されないこともあります。

破損・汚損補償によって支払われる保険金は、保険金額を限度にして、損害額から免責金額(自己負担額)を差し引いた金額です。計算式は保険会社により異なりますが、一般的な計算式は次の通りです。

  • 損害額(修理代・破損した物を新しく購入した代金など)-免責金額(自己負担額)=損害保険金
補償有無は自身で決められる
  • 破損・汚損の補償は、自身で火災保険に付帯するか否かを決められる場合が多いです。そのため、小さな子供がいない人や壊れて困る家財が少ない人など、必要性を感じない人は無理に補償を付ける必要はありません。

破損・汚損の補償範囲や内容は保険会社によって異なる

火災保険の破損・汚損の補償範囲や補償内容は、保険会社によって違います。詳しい補償範囲や補償内容、自己負担額については、各保険会社のウェブ約款や契約のしおりでよく確認するのが大切です。

また、家財には、明記物件という一部例外の家財があります。明記物件とは30万円~100万円を超える貴金属、美術品、宝石、骨董品等のことです。

明記物件がある場合は、補償の対象に家財を含む際に予め申告しておかないと、補償の対象にならず、保険金が支払われない場合があるので注意です。

火災保険の破損・汚損の補償は必要か?

火災保険の破損・汚損の補償は、偶然かつ突発的な事故で、建物や家財が破損・汚損した場合に、受けられる補償です。そのため、次のような人は検討の余地があると言えます。

  • 小さな子供がいる家庭
  • 子供が多い家庭
  • 高価な家財を多く所有している人

小さな子供がいる場合は、室内のおもちゃを投げて窓ガラスを割ったり、室内を走りまわったりして物を壊す、といったことが起こりがちです。

子供が起こした事故は、破損・汚損の補償の条件である、偶然かつ突発的な事故に該当するため、補償の対象になります。そのため、小さな子供がいる家庭では、破損・汚損の補償の必要性は高いと言えるかもしれません。

また、高価な家財を多く所有している人は、その分、破損・汚損時のリスクも高くなります。例えば、結婚した際に高額な家具を一式購入した人や、親から受け継いだ明記物件が複数ある人など、万が一対象物が破損してしまった際の被害が大きい場合には、家財に破損・汚損の補償を付けておくと安心です。

火災保険の破損・汚損補償が適用される例【建物】

個人が契約する火災保険の対象は、原則として建物と家財に分けられています。建物だけを保険対象にすることもできますが、建物と家財の両方を補償対象にすることで、さまざまな補償を得ることができます。

まずは、建物に対して火災保険の破損・汚損補償が適用される例を紹介します。建物とは、建物本体、建物の壁や窓ガラスなど、建物に付随しているものを指します。

ケース1:家具を移動させる際に誤って壁を破損した

引越しや模様替えで家具を移動させる際に、誤って壁にぶつけて破損させてしまうといったことが考えられます。このときに、破損・汚損の補償を付帯していれば、万が一修理費用が高額となった場合でも、保険でカバーできる可能性があります。

「建物」に含まれる補償範囲
  • 破損・汚損で補償対象となる「建物」には、トイレや各居室のドア、和室のふすま、床や天井も含まれています。マンションの場合は、占有エリアである居室内のみが対象ですが、戸建ての場合は車庫やカーポートも含まれます。

ケース2:子供が遊んでいて窓ガラスを割った

小さな子供がいる家庭では、ボールやおもちゃを投げて窓ガラスを割ってしまう、といったアクシデントが起こり得ます。窓ガラスの破損も、火災保険の破損・汚損補償の対象です。その他、ドアやウッドデッキ、壁も、破損・汚損補償の対象になります。

火災保険の破損・汚損補償が適用される例【家財】

火災保険の補償対象に家財を含めている場合に、破損・汚損補償が適用される例を紹介します。家財とは、液晶テレビなどの家電製品や、ソファやダイニングテーブルなどの家具を指します。

ケース1:家電を誤って落とし破損した

家電を誤って落とした場合、破損・汚損補償の対象となる可能性があります。以下のような例が挙げられます。

  • 引越しや模様替え、掃除などで家電・家具を移動しているときに、家電を落として破損した
  • テレビを誤って倒して破損した

ただし、外観上のキズのような軽微な損害で、機能に問題がない場合は、補償の対象外となります。

ケース2:ペットが液晶テレビを倒して壊した

ペットの猫や犬がテレビを倒して故障させるなど、機能に支障をきたす損害が発生した場合、火災保険の破損・汚損補償の対象となる可能性があります。

ただし、こちらもケース1と同様に、外観上のキズのような軽微な損害で、機能に問題がない場合は、補償の対象外となります。補償が適用されない場合もあるため、ペットを飼う際は、建物や家具にキズがつかないように十分に保護しておきましょう。

火災保険の破損・汚損で補償対象にならないケース

火災保険の破損・汚損の補償は、偶然かつ突発的に生じたトラブルによって、発生した損害に対する補償です。そのため、次のようなケースでは補償の範囲に含まれません。

ケース1:経年劣化による破損・汚損

経年劣化が原因で破損・汚損した場合は、補償の対象外となります。

例えば、経年劣化でおきる外壁のヒビや塗装のはがれ、屋根のこけやカビ、金属のサビなどは補償の対象外です。破損・汚損の補償だけではなく、火災保険の補償全般は、経年劣化による損害は補償の対象外です。

ケース2:故意に破損・汚損させた

火災保険の破損・汚損の補償は、故意に破損・汚損させたものに関しては対象になりません。

例えば、次のようなケースが挙げられます。

  • 壁を殴って穴を開けた
  • わざと引きずって床にキズを付けた
  • わざと落として故障させた

故意の事故で補償を受けて保険金を受け取った場合は、詐欺になります。そのため、故意の事故で故障したものについては、保険金を請求してはいけません。

ケース3:機能に問題なく外観だけの破損・汚損

フローリングが少しへこんだ、外壁に擦りキズがついたなど、外観だけで機能性に問題が生じていない場合は、破損・汚損の補償対象外になります。

ケース4:免責金額以下の破損・汚損

損害金額が、破損・汚損の補償で設定している免責金額(自己負担額)以下の場合は、保険金を受け取ることができません。

例えば、免責金額が10,000円の場合、10,000円以下の修理費については破損・汚損の補償対象外です。「万が一のときに、どこまでの金額なら自己負担できるか」をもとに、免責金額を設定しましょう。

ケース5:自宅外での破損・汚損

家財の破損・汚損の補償が適用されるのは、自宅の敷地内のみです。自宅の家財を敷地外に持ち込んで破損・汚損させてしまった場合は、補償の対象外になります。

例えば、次のようなケースは補償の対象外です。

  • 自宅の外(敷地外)で自転車を壊した
  • カメラやパソコンを外に持ち出した際に落として壊した
  • 電化製品を外で使用して雨に濡れて壊れた

ケース6:スマホやメガネが破損・汚損

スマホやメガネを壊した場合は、それが故意によるものでなくても、破損・汚損補償の対象外です。スマホやメガネは壊れやすく、破損・汚損件数が多いため、多くの保険会社では免責項目に含めています。

まとめ

火災保険の「破損・汚損」補償は、日常のトラブルによって建物や家財が損害を受けた場合に役立ちます。

例えば、子供が物を投げて割れてしまったテレビの液晶部分の修理や、こぼしてしまったコーヒーで破損したパソコンの買い換え費用なども、破損・汚損補償でカバーできる可能性があります。

特に小さな子供がいる家庭や子供が多い家庭、高価な家財を複数所有している家庭では、役立つシーンが多いのではないでしょうか。

ただし、経年劣化によって故障した家電製品の買い換えや、年数が経って色あせた壁紙の張り替え費用、自宅外に持ち出した家財のトラブルなどは、補償の対象外です。原則として、火災保険の汚損・破損補償は「偶然かつ突発的に発生した、自宅内での事故に対して補償するもの」です。

また、ほとんどの保険会社では、破損・汚損補償に一定の免責金額(自己負担額)を設けています。免責金額を設定する際は、万が一のときにどこまでの金額なら自己負担できるかを考えたうえで、設定しましょう。