火災保険の保険期間は最長10年まで?長期契約のメリットや支払い方法を解説

火災保険の契約期間で異なる割引率
火災保険は、長期契約にするほど保険料の割引率が上がります。最長の10年契約の場合、1年契約に比べ20%以上安くなることもあります。下記の表は年数別の割引率です。割引率は保険会社によって異なるため、あくまでも1つの目安です。
契約期間 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 | 6年 | 7年 | 8年 | 9年 | 10年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
割引率 | 7.5% | 10.0% | 11.3% | 12.0% | 21.7% | 22.0% | 22.7% | 23.2% | 23.2% |
- ※割引率は保険会社によって異なります。
- ※情報提供:株式会社損害保険見直し本舗
- ※2020年10月12日現在の1年契約と比較した割引率
また、火災保険料の割引率は長期契約だけでなく支払い方法によっても変わります。支払い方法は「一括払い」のほか、「月払い」と「年払い」の分割払いを含む3パターンがあり、割引率は「一括払い」が最も高く、「月払い」が最も低くなります。つまり、10年契約の一括払いが最も保険料の割引率が高くなることになります。ただし、一度に払い込む保険料の負担は大きいので、ご自身にあった保険期間と支払い方法で、無理なく最大限の割引を受けられる選択をしましょう。
火災保険の契約年数は何年が多い?
火災保険の加入者のうち、何年契約の人が多いのでしょうか。損害保険料率算出機構「火災保険・地震保険の概況(2019年度)」のデータをご紹介します。
保険期間 | 契約件数 | 割合 |
---|---|---|
短期(1年未満) | 28,981 | 0.2% |
1年 | 3,562,391 | 27.4% |
2年 | 2,497,092 | 19.2% |
3年 | 419,944 | 3.2% |
4年 | 12,587 | 0.1% |
5年 | 5,404,463 | 41.6% |
6年 | 14,379 | 0.1% |
7年 | 1,446 | 0.1%未満 |
8年 | 757 | 0.1%未満 |
9年 | 477 | 0.1%未満 |
10年 | 968,670 | 7.5% |
その他 | 67,817 | 0.5% |
不明 | 1 | 0.1%未満 |
合計 | 12,979,005 | 100% |
- ※出典:損害保険料率算出機構「火災保険・地震保険の概況(2019年度)」
保険期間別の契約件数は5年(5,404,463件)、1年(3,562,391件)、2年(2,497,092件)、10年(968,670件)、3年(419,944件)の順に多くなっています。
上記のデータには、持ち家だけでなく賃貸住宅(賃貸マンション・アパート等)も含まれています。そのため、賃貸住宅の契約期間の多くが2年ということもあり、1年と2年の件約件数が多くなっていると考えられます。
また、5年以上で契約している件数が全体の半数近くを占めていることもわかります。
長期契約を途中で解約したら支払った保険料はどうなる?
火災保険を長期契約したが、「急な引越しで家を売却することになった」「家族構成が変わったことで火災保険の契約内容を見直したい」といったことも起こり得ます。そのような場合、火災保険を途中で解約することは可能でしょうか。支払った火災保険料はどうなるのでしょうか?
火災保険の途中解約は可能です。また、長期契約の場合でも、未経過期間の保険料は返還保険料(解約返戻金)として返ってきます。
ただし、途中解約の場合は所定の料率がかかるため、実際には戻ってくる保険料が未経過期間の保険料より少なくなることや、保険契約の満期が近い場合は返還保険料がゼロになることもあります。途中解約を検討している方は、保険会社に確認しましょう。
火災保険の期間が短縮される可能性も
各紙報道によると、火災保険は今後、最長10年の長期契約を廃止し、契約期間を最長5年に短縮する検討がされている(2020年10月現在)ようですが、なぜ期間が短縮されるのでしょうか?
近年、台風や豪雨等の自然災害が多発したことにより保険金の支払いが巨額になり、火災保険を取り扱う保険会社の収支が悪化しています。そのため、契約期間を5年契約に短縮することで、保険料の値上げをしやすくする狙いがあると考えられます。
以下の表でわかるように、近年の自然災害による1回あたりの損害額が大きくなっています。
順位 | 災害名 | 発生年月 | 地域 | 支払保険金 (見込みを含む) |
---|---|---|---|---|
1位 | 平成30年台風21号 | 2018年9月 | 大阪・京都・兵庫等 | 1兆678億円 |
2位 | 令和元年台風19号 (令和元年東日本台風) | 2019年10月 | 東日本中心 | 5,826億円 |
3位 | 平成3年台風19号 | 1991年9月 | 全国 | 5,680億円 |
4位 | 令和元年台風15号 (令和元年房総半島台風) | 2019年9月 | 関東中心 | 4,656億円 |
5位 | 平成16年台風18号 | 2004年9月 | 全国 | 3,874億円 |
6位 | 平成26年2月雪害 | 2014年2月 | 関東中心 | 3,224億円 |
7位 | 平成11年台風18号 | 1999年9月 | 熊本・山口・福岡等 | 3,147億円 |
8位 | 平成30年台風24号 | 2018年9月 | 東京・神奈川・静岡等 | 3,061億円 |
9位 | 平成30年7月豪雨 | 2018年6月 | 岡山・広島・愛媛等 | 1,956億円 |
10位 | 平成27年台風15号 | 2015年8月 | 全国 | 1,642億円 |
- ※出典:日本損害保険協会「損害保険協会ファクトブック2020」を基に作成
支払保険金の上位10件のうち7件が2010年以降に発生している自然災害であることがわかります。損害額が増えることにより、支払保険金が増えて保険会社の負担は大きくなるので、このような状況を防ぐためにも契約期間を短縮し、保険料の値上げが必要となってきます。
まとめ
火災保険料の節約を考える際、割引率の高い長期契約はぜひ検討したいものです。長期契約は一度に払い込む保険料の負担も大きくなるといった面もあるので、無理のない範囲で契約期間を決めることが大切です。しかし、各保険会社の割引率等を1社ずつ調べるのには時間と労力がかかります。「保険スクエアbang! 火災保険」のように一括で各保険会社を比較できるサイトを活用すれば、時間の短縮にもなりますので、気になる方はぜひご利用ください。
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