戸建て中古住宅を購入するなら知っておきたい!火災保険の相場と必要性

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戸建ての中古住宅を購入した場合、火災保険の相場はどれくらいなのでしょうか。今回は中古住宅における火災保険料の相場や火災保険の必要性、契約のタイミングを解説します。
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戸建て中古住宅の火災保険の相場

「戸建ての中古住宅なら保険料は○○円」「新築住宅なら保険料は○○円」という決まった保険料は存在しません。理由は、補償内容や保険期間等、保険料に影響を与える要素が複数あり、同じ立地にある同じ建物でも保険料は大きく異なるためです。

まずは、戸建て中古住宅の火災保険料の一例を紹介します。

<シミュレーション条件>

東京都、築20年、一戸建て:80平米、建築保険金額1,700万円、家財保険金額500万円、保険期間5年の場合

  • ※引受保険会社:東京海上日動火災保険株式会社の場合
建物構造※1火災保険料の相場(5年)
H構造275,410円
  • ※1「H構造(非耐火構造)」は木造の建物が該当

上記の保険料はあくまでも一例です。保険会社によっても保険料は異なるため、詳細な保険料を知りたい人は「保険スクエアbang! 火災保険」で比較することをおすすめします。

新築でも中古でも火災保険料は変わらない?

立地条件や建物の大きさが変わらない場合、築年数によって火災保険料が変わることはほとんどありません。理由は、火災保険料は、新価(再調達価額)で評価することが主流であるためです。

火災保険料の評価は「新価」と「時価」の2つの考えがあります。

  • 新価(再調達価額) ⇒ 損害に遭った建物や家財と同等のものを再築・再購入するのに必要な金額
  • 時価 ⇒ 経年による価値の減少や消耗分を新価から差し引いた額

例えば、10年前に2,000万円で購入した家が損害を受けた場合、新価と時価で補償にどのような違いがあるのでしょうか。

10年後の建物の市場価値は、一般的に約半分と言われています(※)。

時価で評価している場合、支払われる保険金は最大約1,000万円です。そのため、同等の建物を再築することは非常に難しいと言えます。

新価で評価していた場合は、2,000万円全額が補償されるため、同等の建物を再築することが可能です。

ただし、2,000万円の家が物価上昇により2,500万円になった場合、保険金額も2,500万円に変更する必要があります。変更せずに損害を受けた場合、同等の建物の再築ができない可能性があります。

新価の算出方法
  • 新価の算出方法は、以下2つの方法で算出します。
  • 年次別指数法 ⇒ 建物の新築時の建築費(建物代金)に、新築された年に応じた指数(建築費倍率)を乗じることで、物価の変動等を反映させて評価額(再調達価額)を算出
  • 新築費単価法 ⇒ 1平方メートルあたりの標準的な建築費(新築費単価)に。建物の延べ床面積(マンションの場合は専有面積)を乗じて評価額(再調達価額)を算出

⇒「新価」と「時価」についてさらに詳しく知りたい方はこちら

中古住宅における火災保険の必要性

火災保険の契約は新築・中古問わず、万が一のリスクから家を守るために必要です。

火災保険は、火災による損害だけでなく、自然災害や、盗難や破損・汚損等など幅広くカバーできる保険です。

もし火災保険を契約していない期間に、火災や自然災害などで家を失ったり損害を受けたりした場合、建物の再建築や家財の再購入、住宅ローンの返済など出費が大きくなる懸念があります。

そのような事態を避けるために、中古住宅でも火災保険には必ず契約しましょう。

築40年や築50年以上など、古い家だと火災保険に入れない?

築40年以上の家でも、火災保険の契約は可能です。建物が古いという理由で、火災保険を契約できないことは基本的にありません。

しかし、建物の築年数によっては、一定の条件を満たしていないと保険料の評価額を新価にできなかったり、保険料が高くなったりすることがあります。また、一部保険会社では、一定の築年数を超えると契約できないケースもあります。そのため、まずは保険会社に確認しましょう。

築年数が古い家でも火災保険の契約は必要?

近年、火災保険の保険金支払額は、自然災害による損害への支払いが火災による損害を大きく上回っています。築年数の古い家は耐久性も低い分、被害も甚大になる恐れがあります。そのため、十分にカバーできる火災保険を契約する必要があると言えます。

また、築年数の古い家を火災保険の対象にする場合は、「類焼損害補償特約」の付帯も検討するとよいでしょう。

「類焼損害補償特約」は、火災や破裂・爆発により、近隣の住宅や家財に損害が発生した場合、近隣に与えた損害を補償する特約です。

築年数の古い家は、木造建築で耐火性等が低いことが多く、万が一火災が発生した場合、損害の範囲や規模が大きくなる可能性が高いです。延焼範囲が大きくなると、近隣の家へ燃え広がり、近隣住民へも大きな損害を与える可能性が高くなります。

過失による火災の場合、「失火責任法」という法律により、損害賠償責任を負わないことになっていますが、損害を受けた近隣住民が火災保険を契約していない、または修復に必要な保険金を十分に受け取れないといった場合、「類焼損害補償特約」を付帯することで、近隣住民が受けた損害を補償できます。

周囲を巻き込むような大きな事故の発生リスクに備え、「類焼損害補償特約」を付帯することをおすすめします。

戸建て中古住宅の火災保険の契約タイミングはいつ?

中古住宅を購入した際、火災保険をどのタイミングで検討し、いつまでに契約すればよいのでしょうか。

火災保険の契約は、中古住宅の引き渡し日から補償が開始されるようにしましょう。火災保険の契約手続きにかかる期間は保険会社によって異なります。引き渡し日から補償を開始できるよう、余裕をもって手続きを進めましょう。引き渡し日の2週間前の契約締結を目途に手続きすることをおすすめします。

住宅ローンを利用して中古住宅を購入する場合、火災保険の契約が必須の金融機関がほとんどです。住宅ローンの返済中に家が火災や風水害等による災害に遭った場合でも、住宅ローンの返済が滞るリスクを最小限に抑えるためです。

なお、住宅ローンを利用する際に、ハウスメーカーや金融機関から火災保険を勧められることがありますが、勧められた火災保険を契約する必要はありません。複数の保険会社から見積もりをすることで、保険料を抑えられる可能性があります。

中古住宅で火災保険に契約するときの必要書類は?

火災保険の契約時には、必要な書類が複数あります。必要書類は戸建てかマンションか、また、保険会社によっても異なる場合があります。今回は、中古の戸建ての場合に必要な書類を紹介します。

まずは、火災保険の見積もりを申し込む際に必要な書類を説明します。

見積もりの申込み時に必要な書類は、住まいの情報を証明する書類です。具体的には建物の所在地、建物構造、床面積、建築年月を確認できる書類です。これらを確認できる資料は以下の通りです。

住まいの情報を証明する書類

  • 建築確認申請書
  • 確認済証
  • 検査済証
  • 登記簿謄本(全部事項証明書)
  • 重要事項説明書   など

上記の書類を用意・確認して複数の保険会社に申込み、火災保険の比較をするのは、時間と手間がかかります。「保険スクエアbang! 火災保険」のように一括で複数の保険会社を比較できるサイトもあるので、有効活用しましょう。

次に、火災保険の契約時に必要な書類を紹介します。

戸建てで契約する場合、一般的に建物面積や建築年月、建物構造、耐火性能等を確認するための資料が必要です。一具体的には以下の通りです。

契約の際に必要な書類

  • 建築確認申請書
  • 確認済証
  • 検査済証
  • 登記簿謄本(全部事項証明書)
  • 重要事項説明書
  • 納税、不動産取引の書類
  • 建築確認申請書
  • パンフレット、設計書、仕様書、図面
  • 施工者、ハウスメーカーによる証明書

必要書類でわからない点は保険会社の担当者に相談するとよいでしょう。

⇒火災保険の必要書類についてさらに詳しく知りたい方はこちら

中古住宅の火災保険料を節約する方法

火災保険料を抑えるために本来必要な補償を外してしまうと、万が一のリスクに備えることができなくなります。そのような事態を防ぐためにも、中古住宅に必要な補償を付帯しつつ、保険料を抑える方法を紹介します。

必要のない補償を外す

火災保険は、補償内容によって保険料が変わります。補償する範囲が広いほど保険料は高くなります。火災保険の補償内容は、火災による被害だけでなく、台風や大雨、大雪による自然災害や、盗難、水漏れ、破損・汚損など多岐にわたります。しかし、全ての補償を付帯することが必ずしも良いというわけではありません。

例えば、国や自治体が公開しているハザードマップ(※)で自分の住んでいる地域の水害リスクが低い場合、水災補償は外しても良いかもしれません。

※参考 ハザードマップポータルサイト

上記のように、必要のない補償を外すことによって、保険料は安くなります。ただし、基本補償に含まれているため外すことができない補償もあるため、保険会社に確認しましょう。

保険期間を長くする

中古か新築かを問わず、火災保険の保険期間は、最短1年から最長5年まで年単位で契約ができ、保険期間が長いほど保険料が安くなります。5年契約の場合、1年契約に比べて12%安くなります。ただし、割引率は保険会社によって異なるため、詳しくは保険会社に確認しましょう。

また、保険料の払込方法でも割引率が変わります。払込方法は以下の3種類です。

  • 月払い
  • 年払い
  • 一括払い

最も割引率が大きい払込方法は一括払いですが、一度に払い込む保険料の負担も大きくなります。無理なく払い込みができる方法を選択しましょう。

家財の保険金額を抑える

火災保険は、補償の対象を「建物のみ」「家財のみ」「建物と家財」の中から決めます。「家財のみ」もしくは「建物と家財」を選択した場合、家にある家財に損害が生じたときに支払われる保険金額の上限を契約時に指定します。

保険金額を高く設定するほど保険料も高くなるので、保険金額を最低限に抑えることで、保険料も抑えることができます。家財の保険金額は、今ある家財を新たに購入する場合いくら必要なのかを確認し、適切な保険金額にしましょう。

⇒家財保険についてさらに詳しく知りたい方はこちら

中古住宅に地震保険は必要か?

中古住宅を購入する際、地震保険の契約は必要なのでしょうか。

近年、地震被害は増加しています。万が一巨大地震が発生した場合は、甚大な被害を受ける可能性があります。ただし、地震で発生した火災や水災の被害は、火災保険では補償されず、地震保険を契約する必要があります。また、地震保険は単独で契約できず、火災保険と併せて契約する必要があります。

中古住宅を購入して間もなく地震の被害が発生した場合、住宅ローンを支払いながら住居の修理や生活の立て直しをする必要があります。万が一に備えて、地震保険も検討するとよいでしょう。

⇒地震保険についてさらに詳しく知りたい方はこちら

まとめ

建物の築年数を問わず、火災や風水害などのリスクに備えるために、火災保険は必要だと言えます。

また、中古住宅購入時、ハウスメーカーや金融機に勧められた火災保険を契約するのではなく、複数の保険会社の見積もりを比較・検討することで保険料を抑えられる可能性があります。

保険スクエアbang! 火災保険」では、複数の保険会社への一括見積もり依頼だけでなく、保険のプロに無料で相談することもできます。自分にあった火災保険を選ぶために、有効活用してください。