火災保険料の相場っていくら?

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火災保険の保険料は、様々な要素が影響して決まるため、一概に相場はいくらと言うことは難しいですが、保険料に影響する要素は何かを知ることはできます。

この記事では、火災保険料に影響する要素の説明と、一戸建てとマンションの保険料の相場(シミュレーション)を紹介しています。火災保険の新規契約時や、更新の際に参考にしてください。

一戸建てとマンションの火災保険料の相場はいくら?(5年)

火災保険は、火災だけでなく、自然災害による損害も補償する保険で、住宅購入時に契約することが一般的です。保険料は、一戸建てとマンションで大きな差があります。その理由のひとつが、「建物の構造」です。ここでは、建物の構造が保険料に影響する理由と、一戸建て・マンションそれぞれの保険料の相場を紹介します。

建物構造級別について

まずは、火災保険料の相場に影響する建物の構造について説明します。建物の構造とは、建物の柱、壁、屋根などがどのような材料を用いて、どのような工法で建てられたかを示すものです。

火災保険では、建物の構造によるリスクに応じて、構造の区分を設けています。これを、構造級別と言います。

構造級別は、木造、鉄筋造、コンクリート造といった「建物の種類」と、建築基準法といった法令上の「建物の性能」の2つから判断され、区分は以下の3つに分けられます。

  • M構造(マンション構造)
  • T構造(耐火構造)
  • H構造(非耐火構造)

それぞれの頭文字をとって「M構造」「T構造」「H構造」と名付けられています。それぞれの詳細は以下の通りです。

  • M構造…マンションやアパートなどの共同住宅かつコンクリート造、または耐火建築物の建物
  • T構造…一戸建てかつコンクリート造・鉄骨造の建物。または、耐火建築物・準耐火建築物の一戸建て、もしくは省令準耐火建物などが該当
  • H構造…一戸建てかつT構造の条件に当てはまらない建物

「M構造」「T構造」「H構造」の順に耐火性能は高くなるため、保険料は「M構造」が一番安く、「H構造」が一番高くなります。

では、一戸建てとマンションそれぞれの火災保険料の相場はいくらくらいなのでしょうか。

新築・中古一戸建ての火災保険料の相場(5年)

まずは、一戸建ての相場を紹介します。保険料は以下の条件でのシミュレーションのため、あくまで一例です。また、ここでの中古は、一般的に「築浅割引」が適用外となる築10年とします。

<例>
居住地・・・東京都
住宅面積・・・一戸建て:80平米
建築保険金額・・・1700万円
家財保険金額・・・500万円
保険期間・・・5年

一戸建て
建物火災保険料の相場
H構造新築134,170円
(地震保険料5年を追加した場合:325,470円)
中古163,850円
(地震保険料5年を追加した場合:355,150円)
T構造新築71,030円
(地震保険料5年を追加した場合:198,970円)
中古94,390円
(地震保険料5年を追加した場合:222,330円)
  • ※東京海上日動火災保険株式会社の場合

新築と中古の火災保険料を比較すると、保険料が安いのは新築物件です。新築の保険料が安い理由は、「築浅割引」が適用されているためです。築浅割引とは、築年数が10年未満の建物に対して保険料を割引する制度を指します。ただし、割引率は保険会社や契約条件によって異なります。

また、保険会社によっては、築浅割引ではなく、築年数に応じた保険料率を適用している場合もあります。

新築・中古マンションの火災保険料の相場(5年)

続いて、マンションの火災保険料の相場です。こちらも一戸建ての相場と同様に、以下の条件でのシミュレーションした一例です。

<例>
居住地・・・東京都
住宅面積・・・マンション:80平米
建築保険金額・・・1200万円
家財保険金額・・・500万円
保険期間・・・5年
補償内容・・・水災補償なし

マンション
建物火災保険料の相場
M構造新築32,220円
(地震保険料5年を追加した場合:160,160円)
中古45,210円
(地震保険料5年を追加した場合:173,150円)
  • ※東京海上日動火災保険株式会社の場合

マンションの場合も、一戸建てと同様に築浅割引や築年数に応じた保険料率が適用されているため、新築のほうが中古に比べて保険料は安いです。

火災保険料に影響をあたえる4つの要素

建物構造以外にも、火災保険料に影響をあたえる要素は4つあります。

  • 築年数
  • 建物の所在地
  • 補償範囲
  • 保険期間

それぞれ解説します。

築年数が新しいほど保険料は安い

築年数が古い建物は、給排水設備の劣化による水濡れ事故が起こりやすく、火災保険料は高くなる傾向があります。一方で、築年数が新しい建物では、耐火・耐風性能等の防災機能が高いため、火災保険料は下がる傾向があります。

また、保険会社によっては、建物の築年数に応じた保険料率を適用していたり、築10年未満のように一定の築年数まで適用される「築浅割引」を導入していたりする場合があります。詳しくは、各保険会社に確認してみましょう。

建物の所在地によって自然災害リスクが変わる

保険料は、建物の所在地によっても異なります。都道府県によって、自然災害の発生率や危険度、損害状況の予測が異なるためです。自分が住んでいる場所にどのようなリスクがあるかを把握するために、自治体が用意しているハザードマップ(※)を確認しておきましょう。ハザードマップは、最寄りの市区町村役場で確認できるほか、インターネットでの検索も可能です。

※参考:ハザードマップポータルサイト

補償範囲が充実すると保険料は高くなる

火災保険の補償は、火災(火災・落雷・破裂・爆発)による損害だけでなく、風災、水災、盗難、水濡れ、破損・汚損による損害にも適用されます。補償内容を充実させるほど、火災保険料は高くなります。

また、地震や噴火による火災や津波が原因の損害は、火災保険の補償対象外です。これらのリスクにも備える場合は、地震保険の契約が必要です。また、地震保険は単独では契約できないため、火災保険と併せて契約するとよいでしょう。火災保険の契約期間中から、地震保険を追加で契約することも可能です。

補償内容補償される主な場合
火災火災、落雷、破裂・爆発により損害が発生した場合
風災風災、雹災、雪災により損害が発生した場合
水災水災により損害が発生した場合
盗難・水濡れ等盗難、水濡れ、建物の外部からの物体の衝突、労働争議等に伴う破壊行為等により損害が発生した場合
破損等上記以外の偶然な破損事故等により損害が発生した場合

保険契約期間が長くなるほど割引される

かつて、火災保険の保険契約期間は最長36年間でしたが、2015年10月に最長10年へ短縮されました。さらに、2022年10月には最長5年に短縮されています。

⇒火災保険の契約期間が最長5年に短縮された理由についてさらに詳しく知りたい方はこちら

火災保険には、保険契約期間が長いほど保険料の割引率が大きくなる長期契約割引があります。契約は1年契約から5年契約まで、年単位で選ぶことが可能で、長期契約割引は2年以上の場合適用されます。また、5年契約は1年契約に比べ保険料を12%抑えて契約ができます。

  • ※割引率は保険会社によって異なる場合があります。

火災保険料を節約するコツ

これまで説明してきた保険料に影響する要素を基に解説します。

補償範囲を検討する

火災保険の補償範囲は、広くなるほど保険料は高くなります。補償内容は火災リスク以外にも、自然災害における風災や水災のリスクから、盗難や水濡れ、破損・汚損などの日常的に起こりえるリスクまで幅広くカバーしています。このなかから、不要な補償を外すことで、保険料を抑えられる可能性があります。

例えば、居住地のハザードマップを確認し、自分の住んでいる場所の水災リスクが低い場合、水災補償を外すことで保険料を抑えることができます。

家財保険を検討する

家財保険は、衣類や食器、電化製品など、建物内の家財を守る保険です。家族の人数の増減に伴い、家財も増減するため、必要な家財の金額を計算して過度な保険金額になっていないか見直しをするとよいでしょう。

保険会社を比較検討する

同じ補償内容でも、保険会社によって保険料も補償内容の組み合わせも異なるため、複数の保険会社を比較することをおすすめします。「保険スクエアbang! 火災保険」では、ウェブサイト上で条件を入力すると、複数の保険会社の一括見積もりが無料でできます。保険会社ごとに資料を取り寄せるよりも簡単に火災保険の比較ができるため、このようなサービスも上手に活用してみましょう。

まとめ

火災保険料は、一戸建てやマンションといった建物構造や補償内容、保険契約期間などで変わります。保険料に影響を与える要素を理解しておくと、火災保険を検討しやすくなるでしょう。住宅購入に伴う火災保険の新規契約時や、更新に伴って火災保険を見直しする際は、ぜひこの記事で紹介した内容を踏まえて保険を選んでみてください。

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