賃貸での地震保険の必要性とは|火災保険とセットで契約検討するときのポイント

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賃貸住宅に住む場合、地震保険を契約するべきか迷いませんか。日本では、大きな地震が頻繁に起きており、災害リスクも高まっていることから、地震保険の契約者も増加傾向にあります。

この記事では、賃貸住宅の地震保険の役割や、必要性について解説します。契約すべきか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。

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賃貸の場合の地震保険の補償内容

地震保険とは、「地震・津波・噴火」が原因で、建物や家財が「焼失・損壊・埋没・流失」したときの損害を補償する保険です。火災保険だけではこれらの損害は補償されません。また、地震保険は単独で契約ができず、火災保険の契約に付帯する必要があります。

仮に、地震が原因の火災で建物や家財が焼失した場合、地震保険を契約していないと保険金は支払われません。なお、賃貸住宅の場合、建物は家主の持ち物です。そのため、地震保険で補償されるものは入居者が所有している家財のみです。

地震保険の保険金は、いくらが適切でしょうか。地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額の30~50%の範囲内、かつ建物5,000万円、家財1,000万円が上限です。そのため、地震保険の目安を確認する前に、まずは保険会社が想定する家財の金額を基に、「火災保険」の保険金額の目安を確認しましょう。

家族構成大人2名大人2名
子ども1名
独身世帯
世帯主の年齢25歳前後490万円580万円300万円
30歳前後700万円790万円
35歳前後920万円1,000万円
40歳前後1,130万円1,220万円
45歳前後1,340万円1,430万円
50歳前後、またはそれ以上1,550万円1,640万円

契約可能な地震保険の保険金額の目安は、以下の通りです。

家族構成大人2名大人2名
子ども1名
独身世帯
世帯主の年齢25歳前後約150万~約250万円約180万~290万円90万~150万円
30歳前後210万~350万円約240万~約400万円
35歳前後約280万~460万円300万~500万円
40歳前後約340万~約570万円約370万~610万円
45歳前後約410万~670万円約430万~約720万円
50歳前後、またはそれ以上約470万~約780万円約500万~820万円

あくまでも、上記は保険会社が­想定する家財の金額です。自身で所有している家財を積算して、保険金額の目安を算出することで、より実態に近い保険金額の確認ができます。これを積算評価と言います。

⇒地震保険の補償内容や補償対象について詳しく知りたい方はこちら

地震保険と火災保険との違い

地震保険と火災保険の違いは、以下の通りです。

火災保険地震保険
補償内容火災、落雷、破裂・爆発、風災・雹(ひょう)災・雪災、水災、外部からの飛来・衝突、水濡れ、盗難、破損・汚損「地震・津波・噴火を原因とした」火災・損壊・埋没・流出
保険金の支払額損害額に応じて支払額は4パターンのみ
保険料保険会社によって異なる各保険会社で金額は同じ
所得控除なしあり

火災保険は、上記の表の通り補償が広範囲です。一方で、地震保険の補償は、地震・津波・噴火を原因とした損害に限られます。

また、火災保険の保険金は、災害によって受けた損害額に応じて保険金額の範囲内で支払われるのに対し、地震保険は、損害状況に応じて「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4パターンで支払われます。仮に保険金額1,000万円の家財の地震保険を契約していた場合、家財の損害に応じて、1,000万円、600万円、300万円、50万円の4パターンのいずれかで支払われます。

その他、地震保険の保険料はどの保険会社でも一律で変わらない点や、所得税は最大5万円、住民税は最大2万5千円の控除を受けられる点も、火災保険とは異なります。

⇒地震保険料の控除について詳しく知りたい方はこちら

賃貸住宅での地震保険契約の必要性とは

賃貸住宅は、建物自体が自身の所有物ではないため、地震保険の補償対象は家財のみです。現在、賃貸住宅の火災保険を契約しているものの、地震保険を契約すべきかどうか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

日本の地震発生率は高い

日本は、地震発生率の高い国です。実際、日本は世界の国土面積のうち1%にも満たないにもかかわらず、マグニチュード6以上の地震のうち、20.8%が日本で発生しています(※)。

近年の地震の概要を見てみましょう。

発生年度震央地名・地震名マグニチュード最大震度死者数負傷者数建物の損害
2018年北海道胆振東部地震6.7743人782人全壊469棟
半壊1,660棟
一部破損13,849棟
2016年熊本地震7.37173人2,809人全壊8,667棟
半壊34,719棟
一部破損162,500棟
2011年東日本大震災9.0719,729人6,233人全壊121,996棟
半壊282,941棟
一部破損748,461棟
2007年新潟県中越沖6.86強15人2,346人全壊1,331棟
半壊5,710棟
一部破損37,633棟

これら以外にも、大きな地震は起きています。近年は頻度も多くなっており、大地震はいつ起こっても不思議ではありません。

地震保険の付帯率は伸びている

大きな地震が発生するたびに、日本の地震保険契約率は上昇しています。直近の地震保険の付帯率は、以下の通りです。

なお、付帯率とは、火災保険にあわせて地震保険を契約している割合を計算したもので、地震保険の普及率を示すひとつの指標となっています。

年度付帯率(%)
2012年56.5
2013年58.1
2014年59.3
2015年60.2
2016年62.1
2017年63.0
2018年65.2
2019年66.7
2020年68.3
2021年69.0

上記の通り、火災保険を契約している人のおよそ7割が地震保険を付帯しています。2021年までの10年間で、地震のリスクに備える人は増え続けています。

賃貸には地震保険が要らないとは言い切れない

「賃貸住宅に地震保険は要らない」とは言い切れません。地震保険だけでは、賃貸住宅の家財が十分に補償されない可能性もあります。しかし、地震保険の本来の主旨は、地震の損害を補填するものということではなく、被災者の当面の生活を支援することです。

地震が原因で発生する経済的なリスクは、家財や建物などへの直接の損害だけとは限りません。地震によって働けなくなり、収入が途絶え、収入が減少するといったことも考えられます。また、賃貸住宅が損壊すれば、引越しが必要となり、その諸費用が発生するかもしれません。地震保険を契約することで、家財の保険金を生活再建資金に充てることもできます。

賃貸住宅の地震保険契約検討のポイント

賃貸住宅に住んでいる人が地震保険を契約する際には、以下の点を踏まえて検討すると良いでしょう。

  • 被災した際の生活再建資金となる貯金があるか
  • 地震の発生により仕事を失う可能性があるか
  • 支払われる保険金と支払う地震保険料のバランス

まずは、地震が発生し、当面働けなくなったとしても、生活を再建できるだけの資金の備えがあるかを確認しましょう。全壊被害から住宅再建にかかるお金は、平均で約2,500万円、家電・家具の修理や購入は、平均で50万円以上(※)かかります。

また、地震によって自身の職場はどのような影響を受けるか、もし働けなくなった場合に収入のあてがあるかなども確認しましょう。そして、最終的には、支払われる保険金が、支払う保険料に見合った金額になっているかを総合的に判断し、地震保険の契約を決めていきます。

まとめ

賃貸住宅に地震保険は必要か迷っている人も多いかもしれません。地震保険の本来の主旨は、被災者の当面の生活を支援することです。地震が発生すると、物理的な損害だけではなく、働けなくなることによる家計への影響、引越し費用などが発生する恐れもあります。

地震保険を契約することで、こうした出来事が起きても、保険金でまかなうことができます。地震の発生頻度や災害リスクは高まっているため、地震保険の契約を一度検討してみてはいかがでしょうか。